建物より人を尊重すること
区分所有者の考えや気持ちは、一様ではありません。
保留床(区分所有者が取得する以外の床)が沢山生じる場合は、余った床を売ることができるので、区分所有者の資金負担が軽くなることが多くあります。
経済的な条件は極めて重要ですし、合理的な状況判断が必要ですが、必ずしも経済的な事情だけが優先するわけではありません。
この先、どのような暮らしがしたいのか、資産としてどのように利用することが良いのか、個々の事情をきちんと理解し、その上で方向を見出すことが重要です。
その為には、
【1】情報がきちんと共有される中でオープンな会議を行うこと
【2】意見を吸い上げられる場を設け、少数派の意見も尊重する。
ことが必要です。
専門のコンサルタント等に依頼し、意見聴取するケースも多いですが、組合員が能動的に関わって意見を交わすことが重要です。
気持ちだけでも進まない。
仮に意見が纏まったとしても、具体的に実行する上では様々な事情を解決していかねばなりません。
個々の資金、組合の資金はどのように手当てするのか、だれがどの住戸を幾らで買うのか、法的に漏れは無いか、などなど、建替え事業には多くの手続きや調整が必要です。
手続きの煩雑で、専門用語も多いですが区分所有者自身も行っての知識や情報を得ておく必要があります。
不動産デベロッパーや施工会社(ゼネコン)或いはコンサルタントやアドバイザーは重要な役割を果たしますが、全てまかせきりというわけにはいきません。
区分所有者のスキルアップや努力も必要です。
利害関係者は区分所有者だけではない。
建替えの合意形成を行うことはできても実行するには、様々な利害関係人と調整をはからねばなりません。
借家人、担保権者、近隣、など調整を図っていかねばならない関係者がたくさんいます。
これらの関係者とも説明、折衝していかねばなりませんので、組合の内部だけでなく相手の事情を把握し、誠意を持って対応することが必要です。
専門的な事は弁護士やコンサルタントへ依頼することも多いと思いますが当事者意識が必要です。
特効薬は無い。急がば回れ
上記に挙げてきたように、大変な行程が必要ですし様々な関係者との調整が必要です。 一足飛びに、進むわけではありません。
急ぐあまり、一人ひとりの意見を聞くことなく、理事や執行部などが強引な会合運営するのはよほど合理的な説得材料が無い限りうまくいきません。
じっくりと対話していけば全ての事項を合意形成できなくとも、納得感の醸成はできていくはずです。

